実家から我が家へ帰ってきた、その夜
以前からちょくちょく発作を起こしていた愛猫 ちょこ が
一晩中、発作で苦しんだ
もちろん、こんなに長時間なんて、はじめて
発作・・・発作と表現するけど
たとえば尻尾を踏まれたときに発する、痛い「ぎゃっ!」という鳴き叫び
怒る時に発する鳴き声
そんな声が、より大きく強く、長く、苦しそうに続くのだ
おそらく体のどこかに痛みがあって、自分でも分からなくて痛みのたびに叫ぶのだろう
痛みのため、トイレで用を済ませられない
ちょこにはこれが高いリスク
なにせ、膀胱や尿道が弱い
以前、尿道結石症で入院治療をした経験があるから
その際にドクターに連れて行ったら「もう少し遅かったら手遅れ」と言われ
ぞぉーっとした経験があるのだ
それから現在も、一生、処方された塩分が少ないフードしか食べられない
一晩中続く発作・・・下半身に痛みがあるらしく、座ることもできない
体を動かすたびに鳴き叫ぶ
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い
どうすることもできない
不安・・・・・
私と旦那と猫・・・それぞれ眠れない夜を過ごした
早く夜が明けて、病院へ、それしか考えられなかった
午前6時
もう我慢できない
診察券やキャリーケースの準備
それでも早すぎるだろう、主治医の診察時間は午前9時からだ
時は遅遅として進まず、とにかく7時まで待とう、そう自分に言い聞かせた
午前7時
主治医に電話。やっぱり留守番電話。
メモをもとにカルテ番号や名前、症状を説明し、最後に連絡先を録音。
やるだけやった
動揺はしていたけど、必要な情報は全て留守録に入れられたと思う
これは損害保険会社の事故サービス部で繰り返し培った技術だ
よかった、人生無駄なことなんて何も無い
育ててくれた人たちや関わってくれた人たちに感謝した
午前7時13分
主治医から電話が入る。
きっと私の電話で目が覚めたのであろう寝起き声。
これから狂犬病の予防接種の為に全スタッフが出払うという
昼間まで帰れないと・・・がーん。
相談して膀胱破裂の危険性を考えて引っ越す前の主治医に行くことにした
以前、ちょこの命を救ってくれた先生のもとへ。
昼過ぎに結果を報告する旨を主治医とお互いに確認して。
現在の主治医と以前の主治医は先輩後輩、現主治医を紹介してくれたのもその先生なのだ
動物病院こそ、話しができないからこそ、良い病院にいかなければ命にかかわる
早く受診できたとしても知識や経験がない病院には大事な家族は任せられない
それからの私達の行動はすばやかった
車で長崎まで高速をぶっとばす
昨夜寝ていないので最新の注意を払って運転する旦那
いつもならキャリーケースに入れたら抗議の鳴き声がすごいのに
全く鳴かない
辛いのだ
まかせとけ、絶対にできることはしてやるから!
助手席でキャリーケースを抱っこする私
行く途中、元主治医に連絡する
火曜日、休診だった
院長は病院は空けておくからと、
自分はこれから出かけないといけないが副院長に引き継いでおくからと
力強いコトバ
もしかしたら副院長も同じことを聞くかもしれませんけど、と
あいかわらず丁寧なのだ
よし!一路、長崎!
病院は、開いていた。ほっとした。
丁寧に副院長がインフォームドコンセントをしてくださる
まず、レントゲン(動物用)。
診察室の扉が閉められ・・・・
進まない時間
時折、ちょこの叫び声が聞こえる
膀胱は、大丈夫だった。
溜まってはいたけど、そこまでたくさんじゃなかった。
ああ、よかった。
全身の筋肉が緩んだ。
とにかく現在のところ、痛がっているが、命に別状はない。
膀胱炎や尿道炎を併発している恐れがあるので、血液検査。
あばれるので、取れるかどうか・・・と、副院長。
なんとかやってくれるそうだ。
・・・数値は、正常。
他の可能性として・・・と、本当に丁寧に説明をしてもらう。
脳に腫瘍や水が溜まる場合が考えられる、、、それはCT(動物用CT、県内はここだけ)で確認可能。
しかし、確認したからといって治療は県内ではできない、一番近くて四国。
13歳の老猫に旅を強要できるのか・・・失命を伴う高いリスク
しかも、CTをとるにあたっては全身麻酔。半日は目を覚ませない。
老猫には、その全身麻酔も本当に高いリスクだという。弱る→失命に繋がる。
私達は、高いリスクを犯したくない。
決断は早かった。
痛みを取り去ることはできるかと問うた
薬で可能だという。
しかも、同じ症例でCTまで撮ったが原因は分からず、薬の投与で1年過ぎている猫が居るという。
そしてその方法であれば、長崎まで来なくても佐世保の主治医がずっと対応できると。
私達は、その可能性に賭けることにした。
この病院にかかるのは5年ぶり。
ちゃんとカルテが、まだあった。
以前の副院長先生はインターンで、現在は神戸で開業医だそうだ。
会計のスタッフが当時を覚えていてくれた。
しかも入院当時だから、5年以上前だ。
彼女が新人で入った頃だという。
「ちょこちゃん、おとなしくなりましたね」と。
え~?あばれて採血できずに両足で採ってテーピング固定なのに(笑)
いったい・・・どれだけ暴れていたのだろう。
そういえば、退院の時、当時の副院長に思いっきり威嚇していたっけ・・・
副院長ったら「僕は嫌われていますから・・・」と隠れていてくださったっけ。
命を救っているのに、動物には嫌われる。
獣医のお仕事って、過酷だ。
家までの帰り道
ちょこはキャリーケースの中でやっと目を閉じた
落ち着いたのか、単純に疲れただけなのか
もう痛そうなそぶりは見せない
家に着き、ちょこに薬を飲ませ
2人と一匹は泥のように眠った
ちょっとの音でも目を覚まし、ちょこが居るところを確認する
夕方、目が覚めても私の頭も体も疲れていた
じいさんの看病疲れ、旅の疲れ、
ちょこを抱えて振動が伝わないよう傾いてちょこに力がかからないよう力を入れていた疲れ
日本語インストラクターはお休みした
キャンセルの英文メールを入れると、またもかわいらしい日本語メールが返ってきた
タイトル「きょつけてチカたち!」たぶんTake care CHIKA's family とでも書きたかったのだろう
なんだかなごんだ。
主治医に電話すると、ちょうど長崎の獣医と電話で話した直後だという
明日、学会で会うから院長ともよく話してくださるとも。
先生はまず、不在をまた詫び、膀胱の確認だけでもすればよかったと詫びた。
わざわざ長崎に行かせてしまって申し訳なかったと。
本当に素敵な先生だ。
先生、それは結果論だもの、それに両先生ともすごく尽くしてくださった。
何より、ちょこは弱っているけど、生きている。
もうそれだけで、十分なのだ。
頂いたお薬は、麻酔をごく弱くしたようなものだそうで
ちょこは、よろよろしている
まるで老人みたいにゆっくり、ヨレヨレ歩く
ふすまを開けようとして、パタンと倒れてしまった
三段階の飛び移りを失敗して落下してしまった
どちらも元気な時に、けたたましくしていたのに
見ているこちらの胸が痛かった
後ろ足に力が入らないのだろう
本人(ちょこ)は、びっくりして、もっとショックを受けている
じっとして体の痛みと自分の生命力に向き合っているように見える ちょこ
急がなくてもいいよ
あんなに痛い思いをしたんだもん
ちょっとづつよくなろう
いつでも助けてあげる
今日、猫トイレに小指の先ほどのウンチとほんのちょっとのおしっこを確認
生命ってすごいな
がんばれ、ちょこ