●戻らない季節に 戻らない時間
去年の今日は、三日月だった。
忘れられない瞬間だったから、覚えてる。
羽田から飛び立つ前の飛行機は、滑走路の手前で順番待ちをしていた。
滑走路も飛行機も電気がピカピカついていて、とてもキレイだった。
私は、季節はずれの『台風』と一緒に仲間たちと上京して帰るところだった。
飛び立った飛行機の下には日本の首都のきらびやかな夜景が広がる。
みんな、ちょっぴりの疲れと旅が終わってしまう切なさと、一緒に居れた喜び
そんな感情をごちゃ混ぜにした顔をしていた。
でも目が合うと、なんだか嬉しくて笑いあった。
私の隣にはビデオを持ったダーリンが居て
後ろの席を振り返ると整った顔立ちのイケメンと目のでっかい幸せそうなヤツが缶ビールを傾け、
通路を挟んだ前の方には後ろを振り返る笑顔の口の大きなヤツ
通路を挟んで後ろの方には、目元の涼しげな王子がもう眠りについていた。
そのあたりのブロックには全て知った顔で、この時を境にもっと仲良しになれた「ファミリー」
三日月が、浮かんでた。
夜景に負けない輝きを放って。
飛行機の音と静けさ。
寝てしまうのがもったいなかった。
約束の場所で一緒に同じ夢を見た。
一生忘れられないと思った。
今もその気持ちに嘘偽りはない。
心の中には、全く変わらない想いとちょっと複雑な想いがある。
だって、好きなんだもん。
だから、切ないんだもん。
それで、悲しいんだもん。
二人ならどんな場所にでもいける
二人ならどんな事も乗り越えられるから
そう信じて 夢見て 描いて 歩いてきたけど
近くに居すぎちゃったかな
いつも常に一緒に居て同じものを見て同じものを感じて
緊張や不安を吹き飛ばして背中をなでて押して
それはもう、できないけど
見てる。
ずっと見てる。
どこに居ても、どんな時も。
あの日の三日月みたいに。
大好き。